始めに:このページは私が思ったことを不定期に多くの人にemailで送ったものです.
購読(無料)ご希望の方はsyu@mqg.biglobe.ne.jpまでemailを.
BCで送りますのでemailアドレスは公開されません.またこのemailに関してレスは必要ありません.
しかし暖かいレスを下さった方にはここで厚くお礼申し上げます.ありがとうございました.
- CNN and dpr-korea99-08-03
- 暑中お見舞い申し上げます!99-08-03
- 日本の8月99-09-02
- NASAの教育プロジェクト99-09-19
- 空の話題を二つ.99-10-06
- 科学の意義,教科書紹介ほか
99-12-12
- 事件とインターネット
2001-10-14
- 事件とインターネット.その2
2001-11-10
- Subject: CNN and dpr-korea
Date: Sat, 24 Jul 1999 23:03:12 +0900
親愛なる皆さんこんにちわ.暑くなりましたね.今津です.
最近CNNのサイトにはまっておりますので,そのご紹介をば.
http://www.cnn.com/
これ何と言ってもコンテンツが凄い.それに検索性も良いし,画面のデザインも悪
くない…と思っていたのですが,今回のスペースシャトルの打ち上げで改めてこの
サイトの威力を知りました.まず量が普通の新聞に比べて全然違う.航空に強いと
言われる朝日新聞でも今回のスペースシャトル打ち上げ記事は「三度目の正直で打
ち上げ成功」程度のほんの少し.しかしCNNのそれは新聞のページにして半ページ
位の詳しい解説に加えてNASAの関連サイトへのリンクが張られているから量におい
ても質においても新聞とは比較にならない.
CNNサイトの多くの記事は要約+Full storyという構成になっているから読みやすい.
面白いのはある意見に関して賛成反対を投票してその結果を見る事ができる.簡単
な世論調査だ.こういった事はインターネットでなくては出来ない.私はこのサイ
トを作成,運用するコストを考えると,タダで利用してよいのかと思ってしまう.
もっとも私はNHKの視聴料も払っていないのだが(爆笑!!)
もう一つ紹介すると
http://www.dpr-korea.com/menu.html
これは北朝鮮紹介のサイトでぱっと見ると当局のプロパカンダかと思える内容だが,
よく見るとそうではない.このサイトで学んだことは自分と全く異なる対象を評価
する場合どうしても自分の価値判断で評価してしまうと言うことだ.簡単に言えば
自分の常識は他人の非常識でありうるということ.例えばこのサイトの”マスコミ
の間違い”なんかが参考になるだろう.この事は初めに述べたようなCNNなどのマ
スコミの姿勢に関係する大きな問題だ.
この北朝鮮紹介とCNNのサイトを同時に開いて交互に読んで「ふ〜む」と唸ってい
る最近のテレホタイムなのである.
ところで私のサイトはと言うとインターネット七夕ゴッコ
http://www2s.biglobe.ne.jp/~syuLove/tanabata.htm
以来夏枯れで近いうちに回復する兆しはありません(笑).皆様におかれましてはこ
の暑さいかがお過ごしでしょうか? (と言っても約一名南半球在住のお方がいる
のだが)いずれにせよお体に気を付けて楽しい毎日をお過ごしくださいませ.
PS.このメールは私が勝手に出しているもので,今後この種のメールを受け取りた
くない方はお手数ですが私今津(Syu)までご一報を.それ以外の方は無理してレス
を書いて頂かなくて結構でありますよ.保存しておくのが目障りならゴミ箱にでも.
syu@mqg.biglobe.ne.jp
http://www2s.biglobe.ne.jp/~syuLove/
- 暑中お見舞い申し上げます!
Date: Sun, 01 Aug 1999 23:02:26 +0900
親愛なるみなさん暑い中いかがお過ごしでしようか.今津です.
前回のメールを出してから暑中見舞いにしておけば良かったと思いましたから今回
はその線で(笑)
前回のメールで反響が大きかったのは北朝鮮のサイトでした.CNNもそうですが,
これらからは普通の新聞やTV等では得られない情報が得られます.ある人にこの北
朝鮮のサイトを紹介したら「怖くて覗けない」なんて言っていました.多くの日本
人の感じ方だと思います.同じように北朝鮮の人たちも日本人は怖いと思っている
でしょう.戦争の多くは恐怖から出発しています.そこで必要なのは情報さらに交
流と言うことになります.さてインターネットはこれにどれだけ貢献できるのでし
ょうか?
暑中見舞いという事なので暑い話題を.これもCNNのサイトで知ったことですが,
USAの中-東部に熱波が襲い7月末の時点で少なくとも70名が死亡したと言うことで
す.オクラホマの友人は7月27日付けで
it is over100 degrees here, people have been put in the hosptel from heat
strocks.
なんて書いてきました.CNNのサイトでは色々な死亡例が紹介されているのですが,
その大部分が高齢で体が弱っている人や貧しくてエアコンが使えない人です.ここ
でも災害は社会的弱者に集中するという法則が生きています.もう一つ思ったこと
は太陽系の外にまでロボットを送り込んだ科学技術の国でも台風や熱波それに地震
などは制御できない.地震に至っては予測さえできない.ここに「人の哀れ」を感
じます.まぁこんな話はお盆の頃にするとシンミリするのでしょうけれどね.
さらに考えるとUSAで熱波で70人以上死んだなんて騒いでいるけど,一方でユーゴ
では何人死んだのか? ウガンダでは何十万人が虐殺されたのか? なんて事を考
えてしまう.これも「人の哀れ」なんだが,これは地震などが制御できないのと同
列の「人の哀れ」と考えて良いのかどうか.夏休みの宿題にしましょう.あー暑苦
しい暑中見舞いでした.(笑)
最後に少しは涼しい(Coolな)話題を.カムチャッカの人が私のホームページを見て
emailを下さった.日本語を勉強しているそうだ.こんな調子.
Watashitachi wa rinjin de aru kara iroirona hitobito wa Nippongo ga
benkyo- shitai desu.
これ私は声を出して読んで初めて理解できました(笑).しかし笑い事ではないので
こういう人たちにキチンと対応するのが自分の為だけでなく日本のため人類の為で
あります.しかしココも地震が多いみたいだな.この辺の話もこの人とボチボチや
っていこうと思っています.
文部省の言いぐさみたいですが,ゆとりと充実の'99夏をおすごし下さい.
それからもうこんなemail受け取りたくないというお方はお手数でもご一報を.
今津
PS.おぉ約一名の南半球在住者を忘れていた.しかし完全に忘れた訳ではないので
お許しを(笑い)
syu@mqg.biglobe.ne.jp
http://www2s.biglobe.ne.jp/~syuLove/
----------------------
後記:
>ウガンダでは何十万人が虐殺されたのか?
と書いたけれどルワンダの間違い.ある方から「視野が広いですね」とレスを頂いたが
こんな程度(笑)
- 日本の8月
親愛なる皆さまいかがお過ごしでしょうか. 今津です.ここしばらくemailが途
絶えていたのは以下のemailを十数カ国の人に8月の挨拶として送ったら思いかけな
い反響があってその返事を書くのに悩んでいたからです.問題のemailとは
> I would like to share Augst in Japan with you.
> It is hot(35C) and humid here. The chirring of cicadas in chorus out side.
> August 6th and 9th were Memorial day for the atomic bombings of Hiroshima
> and Nagasaki. Atomic bombings:http://www.csi.ad.jp/ABOMB/
> Especially http://www.csi.ad.jp/ABOMB/children.html
> (Remember Japan was militarism on those day)
>
> August 15th is the anniversary of the end of the World War2.
> August has a lot of chance to make us think about war.
>
> We have Bon Matsuri in mid August. Bon Matsuri is Festival of Souls. In
> this festival a variety of foods are offered to the spirits of ancestors,
> and their repose prayed for. People who have moved to the cities to work
> return to their home towns during this period. In towns and villages
> across the country people in yukata (Simple kimono) gather for out door
> dances Bon odori at night.(odori=dance). For many Japanese summer
> wouldn't be summer without bon odori.
人によって色々な文章を付け加えたりして全員同じではないのだが,ともかく反応
は盆と戦争.盆は大した事ないのだが,問題は戦争.さすがに第二次大戦に参加し
たなんてのはいなかったが,父親の参戦記なんかを書いてきた人がいた.(これも
面白いのだが話が長くなるから省略)
ニュージーランドの人は「日本政府は戦争のことを子ども達によく教えていないの
ではないか? また戦争について謝っていないのではないか?」なんて書いてきた.
あの戦争の経緯や責任については意見の分かれるところで私も数年前に極東裁判な
どを調べた.そして現在の日本の平和(国際)貢献はどうなってるんだろうとか調べ
てそれをレスにするのがもう大変...で悪夢のような数週間でありましたよ (笑)
実はこの話まだ終わっていないので悪夢は現在も進行中であります.
前に紹介したカムチャッカの人からは
> As for Memorial Day in Russia we know about these dates very well,
>because the 6th and the 9th of August are the most terrible days not
>only for Japanese people and also for Russian too. You have Hiroshima
>and Hagasaki, and we have Semipalatinsk. Your cities were bombed by Americans,
>but in Russia this place was a special place for testing nuclear bombs,
>like Nevada place in the USA. But August is not only sad month, it is
>the last month of summer with geat presents from Mother- Nature (berries and
>mushrooms).
向こうではSemipalatinsk(セミパラチンスク)が深刻みたいですな.ネバダの核実
験場近くの人も書いて来たが,ともかく政府は臭いものにフタ.弱いものにしわ寄
せでゴマかせるだけ誤魔化せなんて調子らしい.これは帝国主義的侵略とは別口の
国家の「こまったチャン」でしょう.
再びカムチャッカの人の話をするとこの人は家から十数Km離れた所に別荘を持って
いてそこには畑がありイチゴや野菜を作っているそうな.私はその話を聞いて「た
いていの日本人は別荘や自分の畑をもっていない.素晴らしいでんな」と書いたら,
「ここでは政府が給料を出さないので人々は冬は学校や病院で働いているが,夏は
農夫になる.でなければ生きていけない」との返事でたいへん厳しい現実があるの
です.これは自分の国の尺度で他の国を測ると大きな間違いを犯す事になると言う
良い見本です.
この人は自分で作ったイチゴでジャムを作った話を書いてくれて日本で言う「手前
味噌」なんでしょうが,大変おいしそうでありました.考えてみれば向こうは天然
資源が豊富で特に海の幸がかなりあるはずで,例えば昆布なんか向こうは食用にし
ていないからいくらでもあるのではないかと思うのです.ですからご自慢のジャム
とか海産物なんか日本と交易すれば良いと思うのですが,色々と難しい問題がある
のでしょうね.そのカムチャッカの人はこう書いてきました.
> I hope VERY MUCH for a new Russian
> government without Eltsin and communists (only honest and busy -- hard
> working busy people)
only honest and busy -- hard working busy people
なんてセリフを初めに書いた戦争責任と絡めて考えてしまいましたですよ.
責任者出てこい!(笑)
でわ愛する皆さま良き日々をお送り下さい.今津
ps.今までの分は私のホームページの
10.Japanese language WARRNING!
Syu's email news99-08-03
にあります.三号雑誌という言葉の通り四号は出ないかも知れませんが,こんな
email要らないと言う方はお手数でも御一報をお願いします.
syu@mqg.biglobe.ne.jp
http://www2s.biglobe.ne.jp/~syuLove/
-------------
後記:”さすがに第二次大戦に参加したなんてのはいなかったが”なんて書きましたが,
このemailを送ったらある方から「私はピョンヤンで終戦の日をむかえました」というemail
を頂きました.いやー色々あるものですね.
- NASAの教育プロジェクト
みなさんいかがお過ごしですか.今津です.
今回は'95年末から参加しているNASAのインターネットを使った教育プロジェ
クトの話をします.まず先日USA東部を襲った米観測史上最大の台風Floydの話
から.
Floydの前の週にもHurricane Dennisがあったのですが,この時はフロリダの
マイアミの近くに住む人は海へ台風見物に行くのだとか,ニュージャージの人
は久しぶりに雨が降るから楽しみだとか脳天気な事を書いてきました.ちなみ
に東部は干ばつでマサチューセッツの人が七夕の頃に「少しだけど久しぶりに
雨が降った」なんて書いて来ましたから,かなり干ばつが続いていた訳です.
加えて以前emailに書いたような熱波が襲った訳ですからその気持ちは分から
なくはありません.そして超大型台風Floyd.踏んだり蹴ったりとはこの事で
しょう.先に書いたフロリダの人は「私の家はコンクリートで出来ているが屋
根が飛ばされそうなのでテキサスまで避難します」と書いてきました.私は気
がかりで何度もCNNのサイトに台風情報を見に行きました.結局死者は30-40名
程度で台風の規模に比べ少なかったのは事前に情報が与えられていたからでし
ょう.しかし広範囲で洪水や停電が起こり加えて数百万の人が避難し大変な混
乱だったようです.伝染病などで今後も大変でしょう.
長々と台風のことを書いたのはこの数週間前からNASAのインターネットを使っ
た教育プロジェクトLIVE FROM THE STORM(http://passporttoknowledge.com)
が始まったからです.これはSTORMをネタにして気象/気候を勉強すると言うも
のです.当初は「USAは世界で起きる気象現象の殆どが起きる」なんて言って
自分の国以外に関心があまりない感じでした.このようにUSAは自国の基準で
世界を見る傾向が強い.アメリカ人は世界的な田舎っぺと言われる所以でしょ
う.
私は日本の台風を紹介した上で世界的な台風を始めとする気象現象の地図を紹
介したら色々な方からemailを頂き好評でした.
http://www2s.biglobe.ne.jp/~syuLove/typhoon.htm
その上プロジェクトの責任者が「これからは日本の台風も取り扱う予定だ」な
んてemailを書いてきました.この数日後に送ってきたジャーナル
LIVE FROM THE STORM, Updates #1, September 15, 1999には
With Floyd affecting millions from
Florida to Maine, we wanted to initiate WRITING UP A STORM right away, to
share the experiences of those of us on the East Coast with others across
the nation, and even around the world (where, as our friend Syu-san from
Japan tells us, "hurricanes" are known as "typhoons.")
なんて書いているけれど,どれだけわかってるんだか(笑)
だめ押しに地球の主要な大気の循環の一つの偏西風を取り上げて第二次大戦中
に日本は風船爆弾を作って偏西風に乗せてカルフォルニアやオレゴンを爆撃し
た.(逆に向こうから爆撃機がやってくる時は大変.帰るときは楽チン.ただ
し撃墜されなければ)なんて書いたらこれには反応が無かった(笑)
とまぁこんなやり取りをしているのですが,これは電脳通信ゴッコに過ぎない
わけで,こんなことをいくらやっても偏西風や台風などの現象の本質的な理解
に結びつかないわけです.偏西風や台風を検索してネットワークサーフィンし
ても同じ事でしょう.もっともらしいグラフィックスを見て分かった気持ちに
なるかも知れませんが(笑) もっとも私の書き込みで偏西風や台風そして日本
などの異文化に興味を持ち勉強を始めたなんて例はあるかも知れません.(そ
れに近いemailは今までに何通かもらった)私はそういう事を期待してこの教育
プロジェクトに参加しています.この辺がインターネットの教育利用のご利益
と限界ではないかと思っています.関連
http://www2s.biglobe.ne.jp/~syuLove/edu.htm#NASAEDU
今回は少し特殊なテーマだったので退屈された方も多いと思います.実はこの
テーマもっと書きたかったのですが,一般性を考慮してこの辺にしました.続
編の国内編をご希望の方は私までemail下さい.国内編を個別にお送りいたしま
す.と言ってもまだ書いていないので受注生産と言うことになります.
でわでわ皆さまお元気で!
Syu
syu@mqg.biglobe.ne.jp
http://www2s.biglobe.ne.jp/~syuLove/
- 空の話題を二つ.
みなさんいかがお過ごしですか? こちらではめっきり秋らしくなりました.
今回は空の話題を二つ.
ここ数年毎年のことですが,9月月後半に月見のことを
http://www2s.biglobe.ne.jp/~syuLove/tukimi.htm
nasaのメーリングリストに紹介したら大きな反響がありまた.例えばフロリダ
でプラネタリウムの解説をしている人は「あの月見の絵を上映するから詳しい
話を教えてくれ」なんて書いてきました.元々あの絵は新聞からのパクリなん
ですが,それをさらにパクッてフロリダのプラネタリウムで上映するなんてい
かにもインターネットな話ですね.さらにマクドナルドの月見バーガーを紹介
したらミシガンの中学校の先生からは
> I told the students about tukimi burgers. The concept was a big hit.
>Our local McDonalds will be most confused if one of my students asks
>about a tukimi burger.
なんて返ってきました.そして月見バーガーの写真を送ってくれなんて言って
きたからYahooで月見バーガーを検索して見つけたサイト
http://www.din.or.jp/~appare/mac.html
を紹介したら,日米両国のマクドナルドを比較してsocial studiesに結びつけ
るなんて書き込みもありました.(笑)
social studiesと言えば私は色々な国の人に日本の印象を尋ねるのですが,ど
の国の人もほぼ異口同音に日本の車などの工業製品の質の高さを言います.ま
たその人の年代にも関係するのでしょうが,日本のアニメやゲームを言う人
もいます.しかし日本の文化がどうだと言う人はいません.私は機会あるごと
に日本の色々な習慣や行事を紹介しているのですが,例えば七夕
http://www2s.biglobe.ne.jp/~syuLove/tanabata.htm
雛祭り
http://www2s.biglobe.ne.jp/~syuLove/hina.htm
こどもの日
http://www2s.biglobe.ne.jp/~syuLove/kodomo.htm
これらは大体が質素で自然と調和した行事でこうした生き方は日本が世界に誇
れるものだと思うのです.(もっとも古来から伝わる行事ならどの文化のもの
でもそういう傾向があると思いますが)しかし当の日本人はこうした質素で自
然と調和した生き方を急速に忘れつつあると思うのです.
もう一つ印象に残ったと言うか困惑したのは,月に団子や作物を供えると説明
した事に対し団子や作物は月自身に対して供えるのか,それとも収穫の祈りや
願いなのかと言う質問があったことです.私は「食べるのが目的という人もい
るだろうし,単に飾りと考える人もいるし,祈りや感謝のしるしと考える人も
いるだろうからそんに厳密に考える必要がないのでは」と説明したのだが,そ
の人は宗教上の立場からか今ひとつ納得できないようすでした.それと西洋の
人はどちらかというと満月は人の心を狂わせるなどどちらかと言えば良くない
出来事と捉えている面があるように思いました(たとえばドラキュラ伝説)
文明の衝突ってのはこんな所にも表れるのでしょうかね.
お次も文明の衝突と言えるものかも知れませんがnasaのMars Climate Orbiter
の事故.これはこの9月中旬に火星に到着して火星を回る周回軌道に入るため
ブースターに点火する命令を送ったら連絡が途絶えたと言う事故です.
(火星に落下してしまったのではないかと言われている)
事故の原因はnasaはメートル法でやっているが,機体を制作したロッキードマー
ティン社はEnglish units (e.g., inches, feet and pounds)を使っていたの
で混乱したと言うことです.これアポロの時代から(あるいはそれ以前からも)
問題になっていまして,当時は「プロジェクトでEnglish unitsを使った奴は
罰金 $*」なんて徹底してやっていたのにいざ月着陸になるとアームストロン
グ船長は「月面まで後何フィート」なんてやったんだからね(笑)
私はnasaのメーリングリストなどで単位についてnasaや学校の実態はどうなっ
てるんだと聞いたところ多くの人から返事を頂きました.そのいくつかを紹介
します.まず nasaの人から
Unfortunately, most U.S. schools do still use "English" units. The
last serious attempt to switch the population over to metric was in the
1970s and it met with great popular resistance.
The U.S. government has officially switched to metric -- all
government procurement specifications and such are supposed to be in
S.I. But the "English" system still continues, and the numbers that
are used are typically just converted over to S.I. at the last moment.
For example, the U.S. space shuttle specifications are all in S.I.,
but the dimensions are round multiples of 2.54cm - it's designed by
people who think in inches rather than in centimeters. The shuttle's
orbit is specified in nautical miles of altitude.
As a SOHO scientist who does public outreach, I'm continually astonished
at the conversion we must do for public relations: when we publish
a temperature, it must be converted to Fahrenheit, or most of the news
sources won't pick it up. Ditto kilometers -> miles. Ditto kilograms
-> pounds (or tons).
次は学校の先生から
Sad to say the U.S. still uses the English units. We teach the metric units
(S.I.) in school but the businesses and industry still continue the English
so people don't become accustomed to S.I. We do use it when we buy Coca
Cola or Pepsi. We buy a 2 liter bottle. We don't use it very often.
What a catastrophe has happened because of this.
本人は米軍基地で働きご主人はロッキードマーティンで働いてる人からは
Its engineers provided navigation commands for Climate Orbiter's thrusters
in English units although NASA has been using the metric system
predominantly since at least 1990.
What'd I tell you??? Engineers! not scientists. Too bad they're from LM,
my husband's company, but some day they'll wise up. Our base is all like
that, too--a giant mishmash of English and metric units. What a mess.
こういうのを読むといかに混乱しているかがわかる.アメリカ政府はSI単位系
に移行の方針を掲げて久しいのだが,笛吹けど踊らずてなところでしょうか.
実際向こうの連中はインチ等が骨身に染み込んでいるという感じがする.
これに関して考えたことは思考言語なんて概念があるが,思考単位なんてのも
あるのだろうと言うことです.以前数人の先生の間でエネルギーはどういう単
位で言われたらピンとくるかという話をしました.化学の先生はカロリーだと
言い,X線をやってる人は波長だと言い,私はエレクトロンボルトだと言って
お互いに笑った記憶があります.
ところでニューヨークの先生が単位の事を色々書いてきたついでに例の東海村
の事故について「生徒に話したいから教えて欲しい」と書いてきました.この
emailと同時に事故の概要を向こうに送る予定です.これもインターネットな
話やなぁ.
長くなったので話題を一つに絞ろうかと思ったのですが,二つ並べて気づいた
事は文明の問題です.文明と言えば抽象的な感じがしますが,文明は月見やマ
クドナルドそして日常使う単位などに如実に表れているのだと感じました.
それではみなさん楽しき日々を!
PS.そう言えば「楽しんで下さい」というのと「頑張って下さい」と言うのも
文明あるいは文化の違いと言える.日本では圧倒的に「頑張って下さい」が多
いですね.
Syu
syu@mqg.biglobe.ne.jp
http://www2s.biglobe.ne.jp/~syuLove/
- 科学の意義,教科書紹介ほか
ご無沙汰しています.前回はnasaのMars Climate Orbiter の事故に関して単
位の話などをしましたが,今回は失敗がほぼ確定したMars Polar Landerの話
からです.私はこの情報を主としてCNN
http://www.cnn.com/index.html
やMars Polar Lander Official web site
http://mars.jpl.nasa.gov/msp98/index.html
(このサイトは多くの人がアクセスして応答が遅いと思っていたらすぐに
ミラーサイトがたくさん出来ていました)
そして朝日新聞のサイトhttp://www.asahi.com/ から得ました.
案外だったのはアサヒコムが有用だったことです.記事自体は上記の2サイト
に比べ圧倒的に少ないのですが,それだけにうまく要約されていて日本語と言
うこともあり分かりやすかったです.同時にアサヒコムの記者は上の2サイト
などの記事を良く読んでいるなと思いました.それだけに上記の2サイトの多
量の記事を読んでいる私にとってありがたい記事でした.
インターネットでよく言われる,喉が乾いたから水を飲もうとすると消防車の
ホースを持ってこられるという例が当てはまるような事例でもありました.
今はインターネット万歳の風潮がありますが,もう少しすると情報ダイエット
なんて言い出すのじゃないかと思っています.
その情報ダイエットに反して話が長くなりますが,宇宙開発(技術)についてお
話してみたいと思います.今回問題になっている火星探査を例に取ると初めて
火星に接近して写真撮影に成功したのが'60年代半ば. '76にはバイキング探
査機が火星に着陸して生物探査の実験を行ったのをご記憶の方も多いのではな
いでしょうか.
それから何度も火星探査機を送っている.そのうちのいくつかは失敗.つまり20
年以上前に確立したはずの火星探査の技術なのにいまだに失敗がある.
個々の失敗についてはそれぞれ原因なり理由があるのですが,宇宙技術の成
功/失敗は確率統計的な出来事というか,分かりやすく言えばバクチのような面
があるのです.
参考までに火星探査のコストをcnnサイトより.
Mars mission costs
Some NASA Mars missions and their respective costs, including launch:
Mars Climate Orbiter: $125 million
Mars Polar Lander: $165 million
Deep Space 2: $30 million
Mars Pathfinder (1996-97) -- $260 million
Mars Observer, 1993 -- $1 billion
Viking I & II, 1976 -- $320 billion
Vikingがダントツなのにご注意を.他とはケタがいくつも違う.
Viking以後はコスト削減に徹しているのです.
ある人が宇宙探査の意義についてこげないフライパンの発明やコンピューター
の進歩をあげたので,私は宇宙探査をさらに一般化して科学の意義について話
してみました.科学は確かにこげないフライパンの発明などの応用という意義
がある.(ただし科学の応用は弊害もともなう)しかし科学の意義はそういう
次元に限られるのではなくてこの世界を”知る”と言うことにある.といくつ
かの具体例を元に説明してみましたが,あまり良く分かってもらえませんでし
た...
応用を言うと19世紀前半にイギリスの一角でファラデーがグルグル巻きにした
銅線に酸に浸した銅と亜鉛(電池のことね)をつないでやっていたホラー映画の
ような実験が人類社会を変えるとは当時誰が考えたでしょうか.(電気技術の
こと.念のため)もっとも人類は科学以外にやるべき事が山のようにあるので
そこは程度というかバランスが大事になると思うのですが,大学は腐る程ある
のにどれくらいの人が科学の意義を理解しているのでしょうかね.
話題を変えて,これも前にお話ししたNASAの気象の事を勉強するプロジェクト
向きに日本の中学校の理科の教科書を説明するページを作ってみました.
http://www2s.biglobe.ne.jp/~syuLove/lfj1.htm
LIVE FROM WEATHER UNIT IN JAPAN #1 から4までありますが,順にたどれ
ると思います.あまり考えずに一つづつ作って公開していったのですが,その
反応と共に感じたことは
1.自分の国や地方の気象を説明するのはその地域を説明することであり,かつ
普遍的な気象現象の理解にもなる.
例えばUPDATE #3 では日本の冬の気圧配置の西高東低を説明してみましたが,
どれだけわかってもらえたでしょうかね(笑)
2.自分の使っている教科書を説明するのは良い勉強になる.同時に相手の教科
書で勉強するのも面白い.特に科学は内容が普遍的なので理解が容易である.
現実には教科書の著作権があるのでお忍びでやっているのだが,(といっても
NASAのメーリングリストを通じて世界中に流れます.ハハハ)これインターネッ
トの面白い使い方だと思う.学校でインターネットを使って国際的な交流を試
みる場合に自己紹介の後からは話が進まない例が多いが,自分たちが使ってい
る教科書を説明したり,お互いに教科書を交換して「ここはこう言うことを説明
しているのではないか」と当てっこすると面白いのではないでしょうか.
3.ぴかちゅうが好評でした(笑)
ところで従来のBiglobeのホームページ容量がほぼ一杯になったので新しいホー
ムページ”インターネットと教育の広場”を作りました.
http://www.hoops.ne.jp/~syuLove/
作りたてなので内容が貧弱だしバグもありますが.2.Science & Educationが
比較的充実しています.これは主として従来のBiglobeのホームページで外国
の先生や生徒に科学を説明したページをその背景等を日本語で追加説明したも
のです.本来ならばBiglobeのホームページで説明すべき事ですが,英語で書
くのはやはりしんどいです(笑)
無料のサイトだけに広告が目障りですが,これをクリックして頂くと私に10円
入ってくる仕掛けになっています.だだ,24時間以内の同一ユーザーからのク
リックは一回とカウントされるので数日に一回テレホタイムの暇な時などにこ
こに来て広告をクリックして下さい.(笑)
来週にでも世界十数カ国の人に下のページを紹介してMerry Christmas
and a happy new yearのemailを送ろうと思っています.
You see Japanese Santa Claus and Mt. Fuji at
http://www2s.biglobe.ne.jp/~syuLove/santa.htm
初詣や干支の紹介.
http://www2s.biglobe.ne.jp/~syuLove/moude.htm
http://www2s.biglobe.ne.jp/~syuLove/nenga.htm
それでは少し早いですが,皆さんも楽しいクリスマスや新年を.
syu@mqg.biglobe.ne.jp
http://www2s.biglobe.ne.jp/~syuLove/
-
事件とインターネット2001-10-23.
皆さん超超お久しぶりです.前に出したのが何と'99年12月でしたから多くの
方がメールアドレスを変更されたのでこのメールは届かないでしょうね.
今回は例の米テロ事件とインターネットについて書いてみようと思います.今
から書くことの大部分はロシアの原潜が沈没した時やアメリカの原潜が日本の
水産高実習船に衝突して実習船が沈没した時に経験した事です.長い間欠けて
いた分長文になります.スミマセン.
9月11日夜10時のニュースステーションを見ていたら「ニューヨークで大きな
事件が起こったようです」と言ってCNNのTV画面を映しました.そこには
Second Plane Crashedとあったのでコメンテーターは「これは事故ではなくテ
ロの可能性が大変に高い」等とコメントしていました.そしてCNNからの映像
が続くのですが,しばらくして「ワシントンD.C.でも飛行機が墜落したらしい」
とのアナウンスがありました.私はパソコンを立ち上げインターネットにつな
いでCNNのWEBSITEを見てみましたが,事故の記事はなく平常の画面でした.
次の日の午後(日本時間)に再びCNNやニューヨークタイムズそしてワシント
ンポストサイトをチェックすれば America Under Attackなんて大きな見出し
の下に事故を報じていました.地方の新聞WEBサイトはどうかとオクラホマ
とワイオミングのそれをチェックしてみるとオクラホマのサイトは地域ネタの
みで事件の記事はありませんでした.海外はどうかとBBCのWEBをチェックして
みると事件は大きく報じられていました.なお当日の色々な新聞の見出しは
http://www.poynter.org/
で見ることが出来ます.これなどインターネットでなければ出来ない事ですね.
ともかくそれから連日色々なニュースサイトを中心にチェックするのですが,
ニュアンスの差はありますが,得られる情報のほとんどは日本のマスコミで得
られるのと差はありませんでした.
参考になったのはCNNやワシントンポストサイトにあるメッセジボードでした.
二つご紹介すると
I work for the RAND Corporation in Pentagon City. I was driving down
Route 27, immediately west of the Pentagon in Arlington at 9.40 am on
my way to work. Suddenly I saw a huge civlian airliner--American
Airlines, probably a 747 I thought--come skimming along at about
rooftop level descending toward the Pentagon. My first thought was,
"My God, some airliner from National is in distress." It never
occurred to me that I was witnessing an act of mass murder. The plane
seemed to hit the ground first, raising a cloud of dust before it
slammed into the side of the Pentagon. A colossal fireball that
seemed be larger than the building itself immediately burst from the
building, followed by dense black smoke. In shock and nausea I pulled
over to the side of the road. I didn't know what to do. After a
minute or two, I kept on driving to work, inside the Pentagon City
complex. As I arrived at work, employees were already pouring out of
the building and heading home. Emergency teams were already arriving
in lage numbers in the area. I told people what I had seen, and was
told about the NYC bombings. Everyone seemd to think it best to
evacuate the area. I went south to the beltway, and went toward
Baltimore to get to my home in Silver Spring--a drive of about 35
miles.
I'm still very shaken by today's events and will never forget what I witnessed.
David Adamson
少し長かったけれど生々しいでしょう.私はこの投稿を読んで始めて飛行機は
まず地面に落ちてからペンタゴンに突っ込んだと言うことを知りました.
次は必ずしも親米とは言えないシリアの人の書き込み.
"I am verrrrrrrrrrrry sad and angry for the wild act which happened
in America. All the Arabs sad and disagree in this wild and non-human
act. We love the life and love it for others too. My heart is very
sad for what happen and if the attackers are Arabs or Muslims, we
hate them and we declare now, [they] became not Arab, not Muslim, not
human too."
-- Aiad Adwan, Syria
しょうもない事を書くとこの文はverrrrで私のHDを検索するとすぐに見つかる
(笑)
それはともかく事故が起きてから1週間くらい多くの人がお見舞いや弔意を書
き込んでいた.それを読むと国籍には関係なく多くの人の思いは同じだと思い
ました.(原潜クルスクやえひめ丸沈没の時もメッセージボードの書き込みが
参考になりました)
最近はCNNのトップの見出しや意見投票の欄をコピーして保存しています.最
近の意見投票のそれは
Created: Sun Oct 21 20:27:37 EDT 2001
Has the U.S. done enough to justify its war on terror to the Islamic world?
Yes 63% 28365 votes
No 37% 16813 votes
Total: 45,178 votes
です.
インターネットで得られる情報は特に私の場合英米のそれに片寄っているので
どうしても見方が一方的になります.一方でモーリーさんという方がストリー
ミングデーターによって異文化理解をしておられるのを知りインターネットの
新しい可能性に気がつきました.
http://www.justsystem.co.jp/siteb/artist/05_morely/index.html
(先ほどここをチェックしたらこれは無くなっていました.インターネット情
報のはかなさよ!)
ところで最近私は池澤夏樹さんのメールマガジン
http://www.impala.co.jp/oomm/index_i.html
でこういうのを受け取りました.
**************************************************
新世紀へようこそ 027
難民になる
今の世界にはさまざまな不幸がありますが、難民にな
るというのもその一つです。
アフガニスタンではこのままでゆくと百万人以上の難
民が出ると言われています。しかし、10月15日付け
の「WTCの中の保育所」でも書いたとおり、不幸を抽
象的な数に還元してしまってはいけない。その前に、一
人の人間にとって難民になるとはどういうことか、そこ
から考えなければならない。
なるべく具体的に想像してみましょう。ただし、ぼく
は昨今のアフガニスタン事情に詳しいわけではない。こ
うもあろうかという、一種の創作に過ぎません。
まず、自分がカブールに住む一家の主であると想定し
ます。生活は非常に苦しい。ソ連の侵攻以来、国は荒れ
放題。三年続きの干魃で穀物の値は上がる一方だし、タ
リバンの支配は厳しい。
そこへアメリカの爆弾が降るようになった。あちらこ
ちらから爆撃で人が死んだという噂が流れてくる。いず
れはもっと恐ろしい兵器が使われるかもしれない。
悩んだあげく、あなたはこの国を出てパキスタンに行
こうと決心する。このままここで餓死するか、爆弾で死
ぬよりはまだましなはず。
あなたの家族は夫婦と四人の子供、それに妻の老いた
母。子供たちはまだ幼く、このところの栄養不足で衰弱
しています。成長期だというのにほとんど育っていない。
妻の母もこの数か月でひどくやつれました。
家を捨てて旅に出て、正直な話、この中の何人が生き
延びてパキスタンに行き着けるか、家族の顔を見て考え
るのは辛いことです。しかし、このままここにいてもや
はり死んでしまう。この冬を生き延びるのはむずかしい。
家財を腹立たしいほどの安値でたたき売って、おそろ
しく高くなったパンを買います。困るのは飲み水です。
途中で水が手に入らなければパンがあっても死んでしま
う。水は重いけれど、運べるかぎりを運ばなければなら
ない。十年前にただ同然で手に入れたピストルも持って
いこうか。
カブールからパキスタンのペシャワールまでは300
キロに少し欠けるくらいですが、ざっと東京から長野の
少し先まで歩いてゆくと考えてください。途中にカイバ
ル峠があって、ここの標高が1000メートルとちょっ
と。つまり中山道の最高地点である信濃追分のあたりと
ほぼ同じです。
ただし途中は乾ききった山道で、日本の山よりもずっ
と険しい。寒さも厳しい。それでも急がなければなりま
せん。雪が降ってしまったら出発できない。
家族みなで最小限の身の回りの品と食べ物と水を持っ
て、着られるかぎりを着て、その重さによろけつつ幼い
子の手を引き、老いた親の身をかばいながら、あなたは
出発します。目前の厳しい旅よりももっと恐ろしいもの
に追い立てられて。
途中で水が不足してきたら、あなたがまず飲みますか、
子供と年寄りに多く飲ませますか? あなたが倒れたら
全員が死ぬ。だからと言って子供を見殺しにできますか?
親を捨てますか? これはそういう旅です。
もし家族の誰かが死んでも、道ばたの土を掘って埋葬
することはできない。シャベルまでは持ってきてないし、
土は堅い。野獣に荒らされないよう、せいぜい石を積ん
で覆うだけです。そのための体力だって実は惜しいので
す。後ろめたいけれども、死体を捨てて、先へ進みます。
いずれにしても、道に沿ってはたくさんの死体が転がっ
ているのです。
夜は寒さに震えて家族みなで身体を寄せ合って眠る。
飛行機の音がするたびに脅える。
起きたら僅かなパンを分け合って食べ、また歩く。そ
うして、家族の何人かが無事に峠を越えて、国境に到着
できたとしましょう。国境は閉鎖されていました。銃を
持った兵士が立ち並んで、こちらを威嚇している。
何日か待って、結局あきらめて、あなたはまた、すご
すごと同じ道を引き返す。パンも水ももうありません。
今度こそ一家は崩壊し、みなが無意味な、無駄な死を迎
えるのだと思いながら、山道をたどります。
作家としてぼくは、この百倍の長さで、彼らの苦難を
細密に書きたいところです。そういう欲求をおぼえます
が、今はその余裕はありません。
難民という言葉を聞いても、日本人は遠い世界の話と
思います。この言葉自体が refugee の訳語として戦後に
なって作られた言葉ではないでしょうか。
しかし、第二次大戦末期の満州からの引揚者、さっさ
と逃げてしまった関東軍を怨みながら、ソ連の軍隊に追
われ、撃たれ、奪われ、犯されながら、必死で内地を目
指した日本人は正に難民でした。
そんなに遠い世界の話ではないのです。
(池澤夏樹 2001−10−20)
**************************************************
(転送自由とありました)
これはフィクションでありますが,極めてありそうな話であります.こういう
事態を考えるのは何もたくさんホームページをチェックする必要もなく極端に
言えば数行の記事だけで可能なのです.ここで描かれた難民の方は自分で情報
を発信することが出来ない事を忘れてはならないと思います.
長くなったのでこの辺で私なりの結論を.
私たちに必要なのは多くの情報でもなくましてやパソコンの使い方でもなくて
合理的に考える能力と想像力ではないでしょうか.それにパソコンやインター
ネットがどう貢献できるかが情報教育で問われるべきだと考えます.
参考:アフガニスタンについてインターネットではここで勉強しました.
http://www.mine.ne.jp/a-rans/afghan/afg_1.html
以上長文失礼しました.
事件とインターネット.その2.2001-11-10.
前回お送りした”事件とインターネット”は宛先不明で戻ってきたのは全体の
1割位で案外皆さんメールアドレスを大事に使っておられるようですね.
反響は「紹介してもらったサイトを中心に勉強してみます」等とこれも案外と
好評でした.で,調子に乗ってその2が出る訳です.
前に紹介したのは西側の大メディアでした.これらは大部分が「行け行けドン
ドン正義の味方」てな調子で特にインターネットを使わなくても得られる情報
(プロパガンダ)です.
同じ情報ならなかなかマスコミでは得られない現地発のイキが良くて個人色の
強いインターネットならではのサイトをご紹介します.
すでにご存じの方も多いと思いますが話の性質上ご容赦を.
まず
http://www.zorro-me.com/miyazaki/
にパキスタンで活動していた人とニューヨーク在住の人のリポートがあります.
日パ旅行社のHP
http://www.pat.hi-ho.ne.jp/nippagrp/
特に緊急レポート.パキスタンを訪れた日本の某政党の幹事長の言動が面白い(笑)
それにわざわざパキスタンにまで同行して政府声明みたいな事しか書けない日
本のマスコミも情けないですね.(だからインターネットが面白いんですって)
ある掲示板に紹介されていたサイトを私が確認,修正したのを.
日本の憲法研究者の緊急共同アピール
http://www.jca.apc.org/~kenpoweb/
国連難民高等弁務官事務所http://www.unhcr.or.jp/index.html
ペシャワール会.http://www1m.mesh.ne.jp/~peshawar/
世界食糧計画.http://www.wfp.or.jp/top.htm
アムダ・インターナショナル(アジア医師連絡協議会)
http://www.amda.or.jp/intl/Japanese/index.html
これらは全部日本語でありますが,「インターネット上の情報は英語が多いの
でカナワン」と書いてこられた方がいます.インターネットには無料日英語翻
訳サービスがあります.例えば
http://www.excite.co.jp/world/
私もよく利用しておりまして原文と照らし合わせて「なんでこんなアホな
訳になるのか」とか「結構ウマク訳しているじゃん」なんて機械翻訳の限界と
可能性を体感できます.実用になり面白いですよ.
私がコンピュータに期待している事の一つは翻訳であります.これによって多
くの人が直接コムニュケーション可能になると思います.
私はアラビア語翻訳ソフトを試してみようかと思っています.
話は変わりますが,あなたがインターネットエクスプロラーを使っていてまだ
これをご存じなければゼヒご覧下さい.
http://www.microsoft.com/japan/technet/security/prekb.asp?sec_cd=MS01-051
これはパソコンの安全保障問題です.人はよくどのパソコンが良いかといか新
しいOSはどうか等と言いますが,ウィルスやデーターのバックアップにはあま
り関心を持たない傾向があります.私から見るとハードやソフトは饅頭の皮み
たいなもんでその中に入っているデーターこそが具で大事だと思うんですけれ
どね.
それに関連して思い出した事ですが,アメリカで国防関連の議員がある物理の
研究所を視察してその所長に「この研究所はアメリカの国防上どういう貢献を
しているのか」と尋ねたらその所長は「この研究所は国防上の貢献はありませ
ん.ただアメリカを守るに値する国にするのに貢献をしています」と答えたそ
うです.
どうもこの手の話題になると目がつり上がる人が多いようですが,そんな
人こそ来る獅子座流星を楽しんでください.
http://science.nasa.gov/headlines/y2001/ast08nov_1.htm?list559929
これを先ほどご紹介した翻訳サイトで訳してみると
> あごを落ちるしし座流星群
> 2001年11月18日に、空ウォッチャーは、どこかでレオニードの隕石のま
>ばゆい嵐見るでしょう。
なんて結構楽しめます.人間楽しまなければソンですぞ.
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