毒書ノート1
1.幸せへの扉.アナ・クィンドレン著.集英社. 2004
-04-26
原題:A short guide to happy life. Anna Quindlen.
この小さな本を要約すると
心をこめてすべてを見てごらん.
著者はある大学の卒業式でスピーチをしようとしていた
が,ある事情
で中止になったのでその内容を卒業生にEメールで送った.それが
とても評判になり本にして欲しいという要望が増えたので本にした
という事である.
この本には我々が人生とか世界と呼んでいる物の写真がたくさん載っ
ていてその内容を際立たせている.原書で読むのも良いだろう.
2.なまけ者のさとり方.
ダデウス・ゴラス著.地湧社. 2004
-04-26
悟っても悟らなくてもどちらでもいいやと
思えるようになれる本(笑)
3.死後の世界が教えてくれる「人生はなんのためにあるのか」
マイケル ニュートン著.出版:VOICE 2004-03-10
原典:Journey of Souls:Case studies of
life between lives.
By Micheal Duff Newton.
私は最初この本を読んだ時は著者のニュートンはとんでもないことを信じて狐つきになるような
人かと思った.しかし被験者への質問やその答えからの推測等を読んでいると著者は高度な知性の持ち主だと言う事が分かった.
催眠療法士の著者はトラウマなどの原因を突き止めるために過去世退行の催眠療法を行っていた.そうすることによって前世だけでなく死の瞬間から次の生の間
(スピリットの世界と言っている.日本語では冥土?)を垣間見る事が出来る事に気づいた.
このスピリットの世界での自分のあり方を知ることのほうが前世を知ることより被験者にとって遥かに有意義である事だと言う事が分かってきた.本書はそのス
ピリットの世界を被験者の報告を元に推測しモデル化している.
著者も書いているように本書の内容に科学的な裏付けは無い.
しかし他の人が追試して同様の結果が得られればその信憑性は大きくなるので追試が望まれる.
著者は前書きの最後で
あなたがどのような信念を持っているにせよ,私の被験者が死後の生に
ついて語ったことが正しいと仮定した上で,それが人類にどのような恩恵をもたらすのかということを考えていただければ幸いです.
と書いている.
http://www.amazon.com/
http://www.amazon.co.jp/
等での書評も参考にしてください.
4.世界の論争・ビッグバンはあったか.近藤陽次.
ブルーバックス.B-1300
副題は決定的な証拠は見つからないとある.ビッグバン宇宙論は多くの本で紹介されており定説になっているようだが,よく調べてみると決定的
な証拠に乏しい.
結びの言葉に
歴史上どの時点をとってもそのころの観測資料や総合的な科学知識を考慮するといずれの世界観もそのとき生きていた人たちにとっては,一
応理にかなったものだった.
とある.本書はギリシア時代の思弁的な宇宙論に始まり天動説と地動説そして定常宇宙論とビッグバン宇宙論などを紹介している.この本
で紹介されていたSeeing Red. By Halton Arpを読んでみたい.さしあたりアマゾンコムでの書評を読んでみると面白かった
5.教えるということ.大村はま.共文社.
大村はま先生は終戦後に混乱の極みにあった新制中学に赴任されました.
教室に行ってみると子どもがワァワァ騒いでいる.「静かにしなさい」なんて言ってもおさまる訳がない.仕方なく家に帰った大村先生は自分の荷物の中から新
聞や雑誌を取り出し教材になるものを百ほど作りそれぞれに問題をつけた.次の日子ども一人一人に「これはこうして…」と手渡すとあれほど騒いでいた子が食
いつくように取り組み始めた.
大村先生は子どもは自分に合った仕事を与えられそれをやることが分かれば一生懸命に取り組む.それが無ければ子どもは犬コロみないになるという事を発見し
て人間の尊さ,求める心の尊さに気づいて廊下に出てワンワン泣いたそうです.それ以後子どもが騒いで授業にならないときは常に自分のやり方がまずいのでは
ないかと自問するようになり「静かにしなさい」と言うのは本当に最後の最後,自分を叱りながら言うそうです.
6.作家になるパソコン術.松本侑子 筑摩書房.
ITを使って創作・執筆活動をしている様子を具体的に紹介している.あとがきで著者は
パソコンがなくても作家になる人はなるし,ならない人はならない.作家になるための条件はただ一つ,作品をある一定の水準までに完成さ
せる根気と才能があること,それにつきる.
と書いている.パソコンにせよインターネットにせよ入れたものしか出てこないのだ.なお著者のホームページは
http://member.nifty.ne.jp/office-matsumoto/index.htm
7.続.気楽なさとり方.宝彩有奈.日本教文社.
心が地獄に向かっているのを天国に向かわせるだけ.というのがそのコンセプト.面白くて為になる本.私はこの本でセコ
セコ働くマインドの存在を知りました.著者のホームページは
http://www01.u-page.so-net.ne.jp/xb3/alina-h/index.htm
著者を批判する訳ではなくあくまでも一般論だが,こういう世界では**先生が言っているからと盲信する人がいる.(例えば**先生は抗
生物質はダメと言ったなど)これは危険な事ではないか.自分でよく考える.そう言う前提でタメになるホームページだ.
8.それがぼくには楽しかったから.リーナス・トパーズ他.
小学館プロダクション.
原題はJust for
fun.これはLinuxの作者リーナスの子供時代からトランスメタ社で働いている現在までを扱った自伝であると同時に人生論からオープンソースのあり方
まで色々なことを論じている本だ.その中で私が一番面白く身近に感じるのは91年1月2日に思い切って大金を投じパソコンを買ってミニックスをインストー
ルして Linuxを作っていくあたりである.
始めは何のOSも動いていないハードウェアレベルでターミナルエミュレーションソフトを作るためBIOSから作っていった.そしてディ
スクに書き込むためのドライバーを作りしていくうちにこれがOSになると思い始めた.結局その年の暮れには仮想メモリーを組み込むまでになったのだ.
(この辺の描写はコンピュータの事を知らない人は退屈だろうが,知っている人は興味深く読めるだろう)
Linuxはリーナスの才能と努力だけでなくインターネットが無ければ出来なかったソフトだと言うことが分かる.この本のアマゾンコムでの書評も面白い.
9.地球/母なる星.竹内均鑑修.小学館.
宇宙から見た地球の映像と宇宙飛行士の言葉を集めた本.
私のWe live there! And my aesthetics.
http://pine.zero.ad.jp/syu/welive.htm
はこの本に載っていたスペイン語の文をインターネットで知り合ったパナマの人に送って英訳したもらったものだ.この本を見ていると本
当に地球は美しいと思う.この本の最初に全世界の子どもにささげる.とある.大きくて高い本だから図書館に頼んで買ってもらうと良いだろ
う.どの図書館にもこの本を置いて多くの人に見てもらえればと思う.
10.正・続ハッブル望遠鏡が見た宇宙.岩波新書.
先ほど地球は美しいと書いたが,宇宙の美しさを感じさせてくれるのがこの本だ.値段が安いのも魅力.難点は見開き両
ページに一枚の写真が載っている場合が多くその場合真ん中が歪んでしまう事だ.安くて小さな本だからやむを得ないだろう.でも内容は一流でハッブル望遠鏡
の手に汗を握るような宇宙での修理ぶりも見事だ.この本にあるハッブル望遠鏡のサイト
http://heritage.stsci.edu/
も素晴らしい.
11.初めてのパソコン書斎整理術.林 晴比古.
私はこれを簡素化して実行しています.
http://pine.zero.ad.jp/syu/pseiri.htm
なかなか御利益があります.
12.パソコンで見る流れの科学.矢川元基.CDROM付.
Blue Backs B-1337.
かなり程度の高い流体力学の本だが付属のCDROMを使えばパソコンでその様子を見ることができる.例えば7章のカルマンの渦.これは風の強い日に電線が
ヒューヒューと鳴る現象.あるいは自分で竿を早く振ると音が出て竿の振動が感じられる現象である.
この程度の予備知識があれば本の説明を良く読みながら
CDROMの内容を見ていけば流体力学の世界にお馴染みになれるだろう.
なお
このCDROMはWindows98/Me/2000対応でWindows95には対応しておりません
とあるが,私の95マシンではキチンと動きました.
読書ノート2
|